よく聞くフラット35とは?
「フラット35」の基本情報
コマーシャルなどで「フラット35」という言葉を聞いたことがある方は大勢いらっしゃると思います。フラット35とは、民間の金融機関と「住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)」が提供する長期固定金利の住宅ローンです。その最大の特徴の一つは、金利が変わらないことです。「フラット」という言葉通り、上がり下がりなくずっと一定です。仮に返済中に市場金利が変わる場合でも、資金を受け取った時点で確定した金利が変わる事はありません。変動金利ではないため、返済額が最初から分かるというメリットがあります。市場金利が下がった場合でも一定のため、仮に金利が下がり続けた場合はそのうま味を味わえないというデメリットがありますが、安定性を重視する方には固定金利は魅力的です。
この住宅ローンを扱う金融機関は非常に多く、平成30年の2月時点で333にものぼります。都市銀行から地方銀行、労働金庫に至るまで幅広く取り扱われているため、どなたでも気軽にご利用いただけます。ただし借入金利は金融機関によって異なるため注意が必要です(0.6%ほど違う場合もあります)。なおフラット35の35という数字は、最長借入期間が35年間であることに由来します。
フラット35を使うメリット
フラット35は全期間固定金利のため、市場金利に関係なく返済プランが立てられます。変動金利の方が得をする可能性は否めないものの堅実です。またフラット35は勤続年数がわずか1カ月という勤務状況であっても借入の可能性があります。通常ローンを組む際は、ある程度の時間連続勤務していることが望まれますため、この措置は非常にありがたいものです。またローンを組む際の審査が銀行でのローンと比較して甘めと言われています。銀行の審査が物件はもとよりローンを組む申込者の審査を重視するのに対し、フラット35は物件の審査を重視する傾向があります。さらにフラット35は保証料や事務手数料などがかからない他、保証人も必要なく、繰り上げ返済手数料もかかりません。他にも入籍前に婚約者の給与を合算した申込が可能であることや、団体信用生命保険に加入せずとも借入が可能であることなど(健康状態が良くないため保険加入ができない方にとってメリット)、メリットは様々です。
フラット35のデメリット
フラット35にはいくつかのデメリットもあります。まず頭金を物件価格の10%用意する必要があります。つまり借入金は90%までしか出してもらえないということです(100%の借入も可能ですが、金利が良くありません)。頭金がない方のためのパッケージ商品も展開されているものの、高金利になるため魅力はありません。また概して変動金利よりも金利が少し高いです。リスクがないため長期視点では差がないか、むしろ得をする可能性もあるでしょう。しかし金利手数料を最終的に多く払う可能性がある以上、デメリットにもなりえます。さらに審査にかかる期間が長いと言われています。
以上の事を考えた場合、フラット35に向いている方は、勤続年数が短い方や、頭金を用意できる方、金利計算が面倒だという方、借入実行時までに時間的余裕がある方と言えます。